六曜迷信


六曜 友引・仏滅・・・・
ご院さん。葬式の時間遅らそう思いまんねん
何でや?
暦を見たら、実は友引でしたんや

意地悪根性がムクムクと湧き出て、

「ほんで、どれぐらい遅らすんや?」
「2時にしよう思いまんねん」
「ほれで、何ぼ遅らしたことになるねん?」
「普通葬式言うたら1時からでっしゃろ? 1時間遅らすことになりますなー」
「あのなー、京都へ行ったら朝9時から葬式してるし、午後4時の葬式もあるで!」
「????・・・・」
「友引 気になるか?」
「儂は気にしまへんけど、世間や会社の者が何やかやと言いまっさかい」
「つまり、世間を気にしとるわけやな?」
「????・・・・」
「友引き言うたらな、六曜いうて、18世紀ころから日本で流行してな。だんだん迷信も引っ付いてきて、今では本来の意味から離れて一人歩きしとるんやで」
「六曜て何んでっか?」
「旧暦の月の数字と日の数字を足して、6で割ったとき、余りが0やったら大安、余りが1なら赤口 2なら先勝 3なら友引 4なら先負 5なら仏滅や」
「へー、一日一日占ってあるんか思てました」
払滅物滅になり、明治になって仏滅になったんやで」
「へー」
友引も初めは共引き言うて、あいこと言う意味やったんやで」
「へー」
「最初は時間の吉凶やったそうやがな」
「仏滅に法事したらあきまへんな。仏さんがおらん日やから」
「法事の時はそんなん考えへんやろ! 日曜日を選ぶんやから」
「そうでんな」
「そらそうと、葬式の時間遅らしたかて、何にも具合の悪いことはないでー。あんたの気休めにしか過ぎんがな。仏法はあんたの気休めに付き合うほど落ちぶれとらんで
「そやけど・・・」
「迷信ばっかりにこだわっとったら、あんたは嘘で固まった人間になってしまうし、本間の民主主義を潰しとることになってしまうで」

曜について、迷信について、ちょっと考えてみましょう。


六曜 大安・・・・
「おーっさん。今度の新車、2月の3日に納車さしてもらおう思いまんねん」
「何でや?」
「大安でんねん」

意地悪根性がムクムクと湧き出て、
「今度の車、ABCとか言うて、アンチロッグブレーキシステムが付いとるなー」
「そら付いてます。それに燃料自動制御システムも付いてますし、カーナビゲーションも最新のが付いてます」
「そら結構なことや。安かったらなお結構や」
「とにかく最新の技術の結晶ですわ」
「坊主が乗るには勿体ないなー」
「ベンツ乗ってる坊さんもおってです」
「あのなー。その車キャンセルするわ!」
「えっ! いまさらそんな無茶な!」
「せやけど、車は最新かも知れんが、ディーラーのあんたん所が信用できん!」
「そらもう、絶対大丈夫です。アフターサービスもメンテナンスも、どこよりきっちりさしてもろとります」
「金払うたらやろ?」
「そんな無茶な!」
「あのなー。儂の言うとるのは意識の問題や」
「???・・・」
最新の技術の製品を、大安やいうて、迷信にこだわっとることや。迷信を実行するような会社は、儂ゃ嫌いや!!
「???・・・」
「あのな。もっと根拠のあることを信じなあかんで!」
「ほなら、いつ納車さしてもろたら良いんでっか?」
「あんたの所と儂のところの都合が一致した日でええねん」
「ご院さん。びっくりしますやないか。キャンセルや言うて」
「迷信は信じたらあかんで! 迷信を信じてる奴はかわいそうな奴や」

六曜というけったいな物を信じたもんやなぁ


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