真宗は十派あって、その内の大きな派は東西本願寺の二派であると言われている。
元々、真宗は親鸞聖人から出発したのであるが、親鸞聖人の弟子が派を起こしたり、徳川幕藩体制の中で、一大勢力であった本願寺を東西に二分した歴史がある。
同じ真宗ではあるが、それぞれ作法や道具が歴史の経過と共に異なってきた。東西本願寺派では、48通りの相違があると言われている。大無量寿経の四十八願にちなんで、相違点をつけたものであろうか。


本願寺伽藍の配置 | 西 | 左[大師堂(ご影堂)] 右[阿弥陀堂] |
東 | 左[阿弥陀堂] 右[ご影堂(大師堂)] | |
本堂の外陣畳の敷き方 | 西 | 畳を横に敷く |
東 | 畳を縦に敷く | |
上卓の仏具 | 西 | 四具足 華瓶2・火舎香炉1・燭台1 |
東 | 三具足 華瓶2・火舎香炉1 | |
護摩壇を中央で分割した配置と言われている。 |




輪灯のかざり | 西 | 模様がある。油皿の台は須弥山を形どっている |
東 | 丸棒の単純なデザイン |


経鑿の台 | 西 | 赤色の丸形で布団敷く |
東 | 黒色箱形で輪を敷く |


拍子木 | 西 | 節柝(せったく)と言うらしい |
東 | 音木(おんぎ)と言うらしい | |
色衣(しきえ:僧の衣) | 西 | 下がり藤の紋が織り込まれている |
東 | 紋なし無地 | |
黒衣(こくえ:僧の衣) | 西 | 裳附型で石帯がある |
東 | 直綴型で石帯はない | |
紋 | 西 | 下がり藤と五七の桐 |
東 | 八藤と抱き牡丹 |


修多羅(七条の紐) | 西 | 修多羅の紐で結ぶため長いまま |
東 | 長い部分をエビ飾りに結んであり、補助紐で結ぶ | |
小威儀(五条の袖の紐) | 西 | 引き結びにする |
東 | 蝶々結びにする | |
焼香炉(外陣) | 西 | 丸形宣徳製 |
東 | 角形真鍮製 |


内陣外陣の境 | 西 | 翠簾(みす:すだれ)がある |
東 | 翠簾は使わない |

宮殿(本尊屋形) | 西 | 柱は金箔巻き |
東 | 柱は黒漆塗り |


宮殿の飾り | 西 | 華鬘(けまん)と言う縁取り飾り布がある |
東 | 華鬘は使わない | |
華鬘は宮殿の前柱の内側の飾り彫刻や布で出来た飾りをいう |


用いるお経類 | 西 | 四句念仏・十二礼・を用いることがある |
東 | 四句念仏・十二礼・は用いない | |
伽陀の節譜 | 西 | 比較的滑らかな節回し |
東 | 比較的複雑な節回し |
正信偈の節譜 | 東西で節回しが違う |
念仏の作法 | 東には板東節という、船に揺られる形での念仏作法が本山の報恩講でおこなわれる |
燈篭、卓の足 | 西 | 猫足型 |
東 | 直線または猫足の反対曲がり |




名称の相違 | 西 | 御文章 |
東 | お文 | |
出退作法 | 西 | 縦畳に跪いて畳みに上がり反転着座 |
東 | 立ったまま畳上がり反転着座 | |
名軸の書き方 | 西 | 法名の両側に死亡年と月日を分けて書く |
東 | 法名の上に死亡年と月日を分けて書く | |
得度(僧になること) | 西 | 比較的難しい(期間が長く研修がある) |
東 | 比較的易しい(期間が短く研修は少ない) | |
教師検定(住職の資格) | 西 | 比較的易しい(期間が短く研修は少ない) |
東 | 大変難しい(期間が長く研修がある) | |
登高座作法 | 西 | 塗香の作法がある |
東 | 塗香の作法はない | |
高座の道具 | 西 | 巻き経を立てる台がある 塗香がある |
東 | 巻き経を入れる箱がある |


一般焼香 | 西 | 焼香は一回 |
東 | 焼香は二回 | |
通常の蝋燭 | 西 | 白蝋を用いる |
東 | 朱蝋を用いる |
本尊絵像の後光の数 | 後光の上辺部の数に相違があるらしい |
経卓の筆返し | 西 | 丸みをつけたデザイン |
東 | 角張ったデザイン | |
布教使 | 西 | 布教使という |
東 | 教導という | |
本山報恩講の時期 | 西 | 旧暦11月 |
東 | 新暦11月 |
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