2022年8月6日、恒例の「広島の鐘」を撞いた。ご近所のご門徒さんもやって来た。例によってライブ配信なのだか、久しぶりの「設定」に、「思い出しつつ」なので時間に間に合うのかと気をもむ。前日に試したが、朝になると心細いのであった。なんとか動くようになったのは午前7時。
「ライブが動いてるぞー」と撞きに来てくれる人に電話をする。
嫁いで行った娘のところに電話して、「写るからなー」とそれぞれ連絡をとった方もいた。都会の孫達は、久方ぶりに元気な故郷のお爺ちゃんを見ることにもなった。
広島の原爆犠牲者への追悼の意味と、核兵器反対、戦争反対の気持ちをYouTubeを通してアピールするのだったが、思いもよらない「おまけ」が出来(しゅったい)したのであった。
鐘を撞き終わって、お茶を呼ばれ、おせんべいをかじりながら、しばしペチャクチャと歓談して三々五々と帰って行くのを見送って横になっていたら、「住職さーん」と先ほどの門徒さんがやって来た。何事やあらんと出てみると、
「これ見て!!」
とスマホを取り出して見せてくれたのは、都会に住む娘の家での出来事だった。大きなテレビにライブの画面が映し出されている前に、二人の孫娘が、ライブ動画に出て来るお爺ちゃんに合わせて鐘を撞くのだ。そんな様子をスマホで撮影され、お爺ちゃんの元へ送られて来たのであった。
撮影したお母さんは、動画につけていたコメントを孫娘たちに解りやすく解説したであろうなぁと想像するのでのであった。思わぬ「フィードバック」があった。お爺ちゃんが喜んだのはもちろん、田舎住職も大喜びの「おまけ」がついた「広島の鐘」であった。
「釣り鐘」は飾っておく物ではない。「生きてはたらく」ように使う物である。お盆に里帰りをする孫娘たちは、「この鐘だったんだ」と改めて確認して、「ぼーぉぉーん」と撞いてくれることだろう。
丹波篠山は「黒豆」や「ヤマノイモ」や「ぼたん鍋」だけではなく、「暖かい心」も発信できる町なんですよ。
広島の鐘ライブの短縮版
孫達のリモート鐘撞き『広島の鐘 お爺ちゃんへのお返事』