ライブ配信のステップアップ



 除夜の鐘のライブを見た知人が、「全景の部分と撞いている部分の2画面になっているともっと良いのになぁ」という感想を寄せてくれた。

 カメラの設置場所からPCまでを、その都度配線していたが、距離が30㍍もあるので「光ファイバーHDMIケーブル」では何とも物騒なのだ。キンクになったり屈曲が小さくなると、芯の光ファイバーが折れてしまってパァーになるという。
 どうせのことだからと奮発して、フレキシブルパイプやジョイントボックスを使って恒久的な配管をし、その中に光ケーブルを敷設することにした。2画面用にもう1本ケーブルを奮発して2ヶ所に敷設した。

 カメラは中古を探す。手に入れた中古品は、手持ちのカメラと型番は一緒なのだが、何処か違うのだ。いや、設定がグチャグチャになっているのだった。設定を一緒にするのにまる1日を要した。何しろ説明書なしで試行錯誤するのだから。

いわゆる「ピクチャー・イン・ピクチャー」というものだが、OBSで「ピクチャー・イン・ピクチャー」を試みて見るがなかなかネットの説明通りに行かない。何しろ「理解力」が低下しているのだから。簡単なのは、ビデオスイッチャーが欲しいなぁと。ホールのK君に相談すると、低価の品物を紹介してくれた。

 いやその前に、カメラからの映像は「HDMIキャプチャー」という変換装置を通してPCに取り込んでいたのでもう1個入手することにした。同じ型番の品物だが、これが言う事を聞いてくれない。画像が出ないのだ。外観は全く同じ。メーカーも同じ(Made in Chaina)。「何故なのか」と、ネジを外して中味を見てみることにした。いや、中を見たからと何とか出来る代物ではないが。

 2個の品物の中味を比べてみると、基板に配置してあるICの数や位置が違う。どうやらバージョンが違うというのか、ロットが違うというのか・・・。ためつすがめつもう一度眺めて気がついた。HDMIの入出力端子が左右逆についているのであった。「三つの間違い探し」のクイズのようなものだった。恐れ入ったので、テープラーで大きな表示を作って貼り付けることにした。

 で、スイッチャーで出来る「ピクチャー・イン・ピクチャー」は小さな画面なので、これを大きな画面にしたい。その方法は?と再び質問すると、「PCにスイッチャーのソフトをインストールして、そこから中味を触りに行く」のだと教えてもらった。
 ボーダー枠を作ったり、位置を変えたり、大きさを変えたり出来ることがわかった。これで「ピクチャー・イン・ピクチャー」は希望通りのものができるが、文字をスーパーすることは出来ない。やっぱりOBSを通過させないとダメだということになった。高価なスイッチャーなら何もかも出来るようだが、そんなことはとても出来ない。

 使いこなすにはもう少し馴れてこないと・・・。こういう製品は、「Made in Chaina」とかタイ製品が目につく。ここ近年、随分と良い製品が世界に出回るようになった。「Made in Japan」が良いのだと頭にこびりついている年代だか、今や世界は逆転しているのかも知れない。今回のライブ配信のパーツで「Made in Japan」はないのではないか?

まずカメラを手に入れることに。
このキャプチャーが曲者だった。
スイッチャーを手に入れる。


こういう画面ができた。

 スイッチャーがLANでネットワークに接続出来るとあるのでやってみたが上手くいかない。とうとう友人のK君にも手伝ってもらったがどうしてもネットワークに取り込むことが出来ない。ホールのK君が電話して来て、「このタイプは繋がらない。もう1ランク上の製品は繋がる」とのこと。またしても徒労であった。


「ベトナムがクシャミをしたら日本が風を引いた」。ウオッシュレス便器が故障したので修理を依頼したら、「ベトナムから部品が入ってこない」という。「半導体が手に入りにくいので車の生産が遅れる」という。こういうことはますます増えて来ると思うねぇ。

 そういえば、楽器も「セルマーが良い」などと言われて来たが、海外の製造技術はもう決して劣っていないのではないかと思う昨今である。「ブランド志向」というのか、「古い思い込み」というのか、それにしてもサックスの世界は「職人芸」のような「古い技術」の世界から出て来る迷信のなんと多いことか。「同じ物は作れない」のが良いことのようなかつての技術と、今や「全く同じ物を量産出来る技術」が存在する時代になっているのだ。この「差」を理解しないと、「B29爆撃機を竹槍で突き落とすのだ」と言い回った「大和魂的精神論」では通用しない時代になっている。サックスだけではない。仏教のロジックも一緒だ。

 「蓮の水揚げ」と言って、華道では「秘伝」になっていると言われるが、何のことはない。ネットで検索するといろんな方法が紹介されている。「秘伝」などと大事にしているのは「家元制度」を固持する何者でもない。「知ったら隠しておきたい人」と、「知ったら言いふらしたい人」が世の中にはいるというものだ。

 新庄剛志監督が合理的な指導をしている。私はそう思う。「練習のための練習をしている」と、選手達の練習方法を指摘し、「実践を模した練習が大事」と言っていた。数々の練習方法を変えているらしい。成果はシリーズがオープンしたら目にすることが出来るだろう。楽しみにしている。「100の練習よりも1回の本番」と言った人がいた。


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