夕方になると、家の周りを散歩するのが大好きで、コオロギを追っかけるのに夢中になりました。
夜になると、
ぺぺー! 帰りやー!
とお母さんの喚び声が聞こえてきて、私は急いでお家に帰ったのです。
月に二度、お母さんはお茶をします。部屋に赤い毛氈をひいて、お菓子も出てくるのです。私も横にちょこんと座ってその様子を見るのが大好きでした。
家族を起こすのは私のお仕事でした。鼻を舐めたり、まぶたを舐めたり、それでも起きない時は、蒲団の上でジャンプしました。
今日はお留守番やで
と言われると、私は玄関のソファーの上で一日中お留守番をしていました。みんなが元気に帰ってくると、ほっとしました。
12月8日、私はガラス戸を開けて夜の散歩に出かけました。あちこち見回りをしてお家に帰ろうと道を横切ったのです。8年間の私の仕事が終わりました。首輪だけが道に落ちていました。住職さんは私の写真を大きな額に入れてくれました。
テレビの上も、額の裏側も、お風呂場の小窓も、部屋中の至る所が私のお昼寝の場所でした。
今はお星様になって、みんなを見下ろしています。どの星が私なのか、わかるかなぁ?
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