天上天下唯我独尊


 お釈迦様がお生まれになったとき、右手で天を指し、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」と言葉を発せられたという。

 春のお花にまつりに甘茶をかける「誕生佛」の姿はよくご覧になられていることと思う。

 多くの人たちが、今まで聞いてきたのは、
 「私はこの世界で一番尊い存在なのだ。だから私の言うことを良く聞きなさい。」
と言うことではなかってでしょうか。そして本当に七歩あるいて、そう言われたと信じているお年寄りがある。

 いや、それはお釈迦様だからできたので、普通の人間と比較すること事態がおかしい。
と言われる方もあるかも知れない。

 しかし、どう考えても、生まれたばかりの人間の子が、七歩もあるいて、言葉をしゃべるわけがない。

仏教には六道というものを説かれている。
 地獄・・・・人を裁き、いじめ、憎む世界
 餓鬼・・・・欲しい欲しいと常に飢えている世界
 畜生・・・・迷惑をかけても平気で恥じることのない世界
 修羅・・・・一所懸命で他の世界の見えない世界
 ・・・・・喜怒哀楽に悩み悲しむ世界
 ・・・・・将来の見えぬ、いつか滅びる楽しさの世界

 お釈迦様はこの六道を超越して生きていくことが、人間として生まれたことになると示されたのではないでしょうか。

 振り返って、私の一日を見ると、朝から夜寝るまで、この六道をそのまま歩いており、そのこと自体で悩み苦しんでいる。そんな私を見ることが出来るのです。六道を一歩出る、つまり七歩あるくという譬えなのです。

天上天下唯我独尊は、お釈迦さんそのものを尊べと言うことではなく、
この世の中で一番尊いのはあなた自身ですよ。
そしてそのことに気づいていないのはあなた自身ですよ。


ということです。一人一人が自分の尊さに気づいたとき、隣に居る人の尊さにも気づいていくことにつながっていくことになります。


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