御御伝鈔拝読



 2003年11月25日、本山報恩講で『御伝鈔』が拝読された。今年の報恩講が終われば、親鸞聖人のご遠忌に向けて御影堂などが大改修されることになっており、8年後でなければ御影堂での『御伝鈔』を聴くことができない。

 宗玄寺と法福寺のご門徒の有志が、『御伝鈔』を聴く(見る?)ために上洛した。僅か2時間ほどのバスでの行程だが、お昼過ぎに出発して御影堂に入ると、良い場所?は既に満席。それでも左余間正面の一番前に陣取って、午後5時からの行事にそなえることになった。

 5時になって、御影堂の照明が落とされ、握り出しの大蝋燭が静かに外陣を入ってくる。ゆるゆるとして厳かな雰囲気の中、しばらくして、「親鸞聖人伝絵の上--!!」と大きな声で拝読が始まった。

 2時間ものあいだ、文章の意味もわからずに過ごしていては…と思って、御伝鈔をフリガナ付きで印刷したのを配布していたので、皆さんコピーを見ながら、前も見ながら2時間を過ごした。

 約2時間、その後の勤行も一緒に勤めて、帰路についたのは午後7時半を回っていた。

 『御伝鈔』の拝読が終わるや、ぞろぞろと帰りだす方々があったのにはちょっと残念な思いを残してしまった。最後まで同座して勤行も勤め、みんなで「恩徳讃」を唱和して欲しかった。

 『御伝鈔』の拝読は、単に『御伝鈔』の中だけでなく、それに伴う作法なども一連の行事なのだから……。そんなに急いで帰っても……。ね。もう8年後にしか出会えないのだから。

 報恩講とは『御伝鈔』を拝聴するものだ、ということを言った方があった。そうかも知れない。


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