自然の中の人間


 NHKの「世紀を超えて」という番組が放送されている。豚から人間に感染する、ものすごいウィルスがマレーシアでひろがり、多くの人々が感染して百人以上が亡くなり、主要産業の養豚業も大きな打撃を受けることになった。

 感染源をいろいろと調べていくと 人←豚←(?) で、本当の源がなかなか判明しない。ところがオーストラリアで、似たようなことがあって、それは、フルーツバットというコウモリがウイルスの宿主であることがわかっていた。

 マレーシアで追求していくと、最初に病気が発生した所の近くには、フルーツバットが洞穴に棲んでいた。そのコウモリの体内からもウイルスか発見された。とうもその病気の原因となるウイルスの自然界での宿主はフルーツバットであるらしい。

 ドリアンなどの果物を主食としているコウモリが、なぜ豚に接触することになったのか?。

 それは、養豚業が広がっていき、熱帯雨林を切り開き、人間がどんどんとコウモリのテリトリーへ近づいて行ったからと番組では分析していた。

 そして、人間にとって、とてつもないウイルスや、初めて出逢う病原性ウイルスが、実は自然界の中では、それに十分共生できる宿主とともに生きているのが、ある日突然、何らかの自然のバランスが崩れ、他の生物の中に入ったとき、どう猛な活動を始めるという。

 HIVもその一種だという。そして、ウイルスに限らず、山村で話題になるのは、鹿が田畑を荒らすとか、イノシシが・・・・、猿が・・・・。

 いずれも、鹿や猿やイノシシと、人間が棲み分けをしてきたのに、どんどんと人間が彼らのテリトリーを浸食していった結果ではなかろうか。

 自然界のバランスを崩している張本人は、外でもない、人間そのものである。
 ダイオキシン・・・・、放射能・・・・、一酸化炭素・・・・、フロンガス・・・・、数え上げればきりがない。

 人間は万物の霊長だなんて驕り高ぶってはいても、この地球上の全てのいのちから見れば、一番具合の悪い存在かも知れない。

 私たちは、私たちを育み育ててくれている多くのいのちと共生して行ってこそ、生き延びて生ける。

釈尊は、この世で一番愚かなものは人間であると言われた。

愚かなもからの脱却はどうすれば良いのか?。


旧ホームページからの移転

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました